コラム

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11歳男性の接種後の死亡事例

※11歳男性の接種後の死亡事例について(概要)
 接種日:2022年9月19日(3回目)
 死亡日:2022年9月24日
 基礎疾患等:熱性けいれん(2012年3月~2021年10月計13回)など。
<経過>
 9月19日 16時にコミナティ筋注5~11歳用(3回目)を接種。
 9月20日 朝は異常なし。
 登校後に発熱あり帰宅。
 11:57自宅でけいれんあり救急要請。
 13時頃に前医到着、複数の抗けいれん薬を用いるも鎮痙できず、13:15報告医の医療機関に搬送依頼あり。
 前医で鎮静薬投与の上、気管内挿管し、鎮静薬を追加投与したところ、14:00止痙。
 搬送中に血圧低下あり、搬送時には収縮期血圧90台。
 15:15報告医医療機関に到着し、PICU入室(収縮期血圧60-80台)。
 外液負荷、ノルアドレナリンで一時的に改善するも経過中に再度低血圧性ショック。
 播種性血管内凝固症候群、急性腎障害、横紋筋融解症あり。
 対光反射緩慢。心収縮は良好。脳波は低電位。抗菌薬及び脳保護目的に体温管理開始。
  9月21日 代謝性アシドーシス改善せず。
 持続血液透析。持続脳波モニタリングは低電位が持続。
  9月22日 夕方より瞳孔散大、対光反射消失、頭部CTで脳ヘルニア。
  9月24日 18:15死亡確認。
 死亡診断書の記載:多臓器不全、敗血症、急性脳症
 剖検実施済みであり、結果待ち。
<死因等(報告者による見解・考察等)>
(報告書上の記載)
 直接死因:多臓器不全
 多臓器不全の原因:敗血症
 敗血症の原因:急性脳症
(対応するMedDRA PT)多臓器機能不全症候群、敗血症、脳症
<専門家による評価(令和4年10月7日時点)>
 ワクチンと死亡との因果関係評価:γ(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの)
 コメント:コミナティ接種の翌日から発熱し、その後、急性脳症、 DIC、多臓器不全などを発症し、接種5日目に重篤な脳浮腫と脳ヘルニアにて死亡した小児。
頻回の熱性痙攣の既往、無熱性痙攣や痙攣重積の既往などから、痙攣予防を目的に抗けいれん薬を6年間服用した既往歴あり。本患者の血清・髄液からHHV6が少量検出されており、突発性発疹の既感染者であるものの患者が示した脳炎の臨床経過から、HHV6が急性脳症の原因となった可能性も否定できない。
ただし、PCRで陽性と考えられる閾値以下の増幅しかないことから、これを意味なしとすることも間違いではないとも考える。また、直接死因の原因として敗血症が挙げられているが、敗血症として診断された際の情報が確認できない。
本ワクチン中のSARS-CoV-2mRNAは髄液中に移行しないが、これまでに海外から本ワクチン接種後の急性脳症の報告がされている。新型コロナウイルスワクチンが細胞性免疫を活性化し、 hyperactive encephalopathyを発症させる可能性は残されているが、現時点では急性脳症が新型コロナウイルスワクチンの接種によるとの最終的な結論は出されていない。
急性脳症発症早期の髄液や血清中の各種サイトカイン濃度上昇の所見があると、免疫賦活化が発症している傍証となり、hyperactive encephalopathyが発症した可能性は高くなるが、現時点でこれらの所見の情報がなく判断できない
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